「ISO 14053:環境管理-マテリアルフローコスト会計-組織における段階的実施のためのガイダンス」に関する記事がISO/TC 207/SC 1のウェブサイトに掲載されました。
製造プロセスにおけるマテリアル(原材料、副資材、エネルギー等)のロスを物量とコストの両面から見える化する原価計算の手法である「マテリアルフローコスト会計」(以下、MFCA)に関する国際規格として、これまでに ISO 14051:2011 と ISO 14052:2017 の2種類が策定されてきました。ISO 14051 がMFCAの一般的なフレームワークを提供するもので、ISO 14052 はサプライチェーンに特化したものになっています。
2015年に国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)などの国際的潮流もあり、大企業であるか中小企業であるかに関係なく、サステナブルな資源・エネルギー利用がこれまで以上に求められるようになってきています。そうしたなかで、MFCAを小規模な組織にも導入しやすいものにしてほしい、あるいは比較的大規模な組織であっても一度にMFCAを導入するのは難しいので段階的な導入が可能なものにしてほしいというニーズも高まってきました。MFCAに関連する3つ目の国際規格として現在策定中の ISO 14053(予定)は「組織における段階的実施」という文言がそのタイトルにも入っている通り、そうしたニーズに応えるためのものです。特に、製造業に属する中小企業を本規格の主なユーザーとして想定しています。また、本規格の策定には弊社の立川がワーキンググループ13のアシスタント・セクレタリーとして携わっております。
ISO 14053 の策定は2020年9月現在、国際規格案(Draft International Standard: DIS)の段階を終え、最終国際規格案(Final Draft International Standard: FDIS)の段階に入っており、2021年には国際規格(International Standard: IS)として発行される予定です。