アークフラッシュ対策の重要性

アークフラッシュ対策の重要性

はじめに

一般的に、「アークフラッシュ」とは、高電圧電流を原因とする、爆発や激しい電気火花を伴う空気中での放電現象のことを指します。金属溶接手法の一種で、放電現象を利用する「アーク溶接」の「アーク」なら知っている人がいるかもしれません。通常、空気は絶縁体であり、電気を通すことはありません。しかし、例えば雷のように電圧が高い場合には、電気を通すことがあります。アークフラッシュによる事故とは、電気設備の不備・不具合または電気設備に対する不適切な操作などによって、電気設備のそばにいる人が望ましくない人工的な「雷」に打たれて感電してしまうこと、と言い換えることもできます。

アークフラッシュ対策で出遅れている日本

ある研究によると、米国では毎日5〜10件程度のアークフラッシュ事故が発生していると言われています(Fischer 2004, Kowalski-Trakofler and Barrett 2007)。その米国では、全米防火協会(National Fire Protection Association: NFPA)が、アークフラッシュに関する基準である「NFPA 70E」を定めており、これをもとに、アークフラッシュに関するリスクアセスメント、対策措置の選択、接近限定距離の設定、個人用保護具(Personal Protective Equipment: PPE)の選定など、アークフラッシュ事故を防ぎ、アークフラッシュのリスクを低減するためのさまざまな対策が法的に規定されています。
一方、日本では、労働安全衛生法の詳細を定める「労働安全衛生規則」に活線作業(電流が流れている状態の導線に対しておこなう作業)や活線近接作業(電流が流れている状態の導線のそばでおこなう作業)の際のアークフラッシュ対策として、個人用保護具(PPE)の着用や接近限界距離の設定が規定されています。しかし、アークフラッシュのリスクアセスメントについては規定されていません。そもそも、「安全」と「危険」は、「白」と「黒」の2色だけの世界ではありません。むしろ、私たちを取り囲む現実の状態は、常に「白」と「黒」のあいだの「灰色」です。より安全に近い状態(=白に近い灰色)なのか、より危険に近い状態(=黒に近い灰色)なのか、「灰色」の「濃さ」を妥当な範囲でなるべく白に近づけることこそ、安全衛生分野の対策で重要とされている「リスク低減」の考え方、より専門的に言えば、「ALARP」原則だと言えるでしょう。ALARP(アラープ)とは、”As Low As Reasonably Practicable”の頭文字をつなげたもので、リスクは「合理的に実行可能な範囲でできるだけ低くすることが望ましい」という考え方を表したものです。ALARPを達成するためには、まず現状の灰色の濃さ、すなわち現状でアークフラッシュのリスクがどの程度であるのかを把握する必要があります。それに当たるのがリスクアセスメントです。米国と比較した場合に、日本のアークフラッシュ対策はこのリスクアセスメントの観点が手薄であると言わざるを得ません。

アークフラッシュのリスクアセスメント

こうした法整備の状況もあり、残念ながら、アークフラッシュのリスクアセスメントを専門的におこなう企業は日本にはまだ多くありません。工場や施設などでアークフラッシュ事故のリスクが過小評価されており、適切な予防措置が講じられていないことも少なくありません。こうした状況は、電気作業に携わる労働者の安全を守り、電気設備等の資産を保護するうえで大きな課題となっており、専門的な知識と経験をもつ企業によるアークフラッシュのリスクアセスメントの普及と実施が急務となっています。

プロファームの実績

プロファームは、アークフラッシュのリスクアセスメントを専門的におこなう日本における先駆者として、数多くの企業や施設での安全対策、そしてリスクの低減に貢献してきました。特に注目すべき実績のひとつとして、国内有名テーマパークの変電設備に対するアークフラッシュのリスクアセスメントの実施があります。このプロジェクトでは、現場の詳細な調査と分析をおこない、アークフラッシュの発生につながるリスク要因を特定し、リスクアセスメントをおこないました。そして、リスクアセスメントの結果をもとに、適切な個人用保護具(PPE)の選定、設備の設計変更、作業手順の改善など、包括的な安全対策をクライアント様に提案いたしました。提案した措置は、事故の回避やリスクの低減はもちろんこと、緊急時対応計画の策定にも有効活用され、テーマパーク運営の安全性および信頼性の向上に貢献することができました。
アークフラッシュについて、リスクアセスメントからその結果にもとづく対策のご提案まで、プロファームでは包括的なサービスをワンストップでご提供することが可能です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。