【2026年1月更新】新「危険化学品安全法」の公布と加速する脱炭素・循環型経済への対応

中国における環境安全衛生(EHS)に関する規制の高度化が一段と加速しています。2025年末から2026年初頭にかけて、企業の法的責任をより明確化する国家法律の公布や、サプライチェーン全体での資源循環を求める新たな行動計画が相次いで発表されました。
本記事では、日本企業が特に留意すべき3つの重要トピックを概説します。
1. 最新法令・通知の概要
2025年12月から2026年1月にかけて、以下の重要な法令および通知が公表されました。これらは今後の中国国内での事業活動において遵守すべき公的基準となります。
| 法令・通知名 | 分類 | 公布・発行日 | 施行日 |
| 中華人民共和国危険化学品安全法 | 国家法律 | 2025年12月27日 | 2026年5月1日 |
| 固体廃棄物総合管理行動計画 | 行政法規 | 2025年12月27日 | 発行日より施行 |
| 再生材料応用普及行動方案 | 部門規章 | 2025年12月23日 | 発行日より施行 |
| ゼロカーボン工場設立ガイドライン | 部門規章 | 2026年1月14日 | 発行日より施行 |
2. なぜ「危険化学品安全法」への対策が急務なのか
今回、最も注目すべきは「危険化学品安全法」の公布です。これまで行政条例(危険化学品安全管理条例)として運用されていた規制が、最高レベルの法的効力を持つ「法律」へと格上げされました。
日系企業への影響:
中国に製造拠点を持つ日本企業にとって、本法の施行は単なるルールの更新に留まりません。化学品の製造、使用、貯蔵、輸送の全プロセスにおいて、より厳格な安全基準と法的責任が課されます。具体的には、施設・設備の安全設計、リスクアセスメントの実施状況、およびライセンスの保有状況について、これまで以上に高い透明性と正確性が求められるようになります。2026年5月の施行に向け、既存の管理体制との「ギャップ分析」を早急に実施することが推奨されます。
3. 3つの重点項目
最新の動向を踏まえ、実務担当者が優先的に取り組むべき事項は以下の3点です。
- 新「危険化学品安全法」への合規性確認(2026年5月施行)
新法で定義される安全基準に対し、現状の設備や運用フローが適合しているかを確認し、必要に応じた改修や規定の見直しを計画的に進める必要があります。
- 再生材料の使用拡大とカーボンフットプリント対応
「再生材料応用普及行動方案(2025年12月23日発行)」に見られるように、中国では資源循環の促進が国策として進んでいます。再生材料の利用率向上や、炭素排出データの正確な把握が、今後の取引条件となる可能性が高まっています。
- 固体廃棄物管理体制の再構築
新たに通知された「固体廃棄物総合管理行動計画(2025年12月27日発行)」に基づき、廃棄物の発生抑制から再利用、適正処分に至るまで、地方当局による監査が厳格化することが予想されます。
4. コンプライアンス違反に伴う具体的リスク
これらの規制変更への対応を怠った場合、企業は以下のような重大な経営リスクに直面する可能性があります。
- 行政処分の厳格化:
法律への格上げに伴い、違反時の罰金額が大幅に引き上げられるだけでなく、法的代表者個人への責任追及も強化されています。
- 操業停止命令:
安全基準や環境基準を満たしていないと判断された場合、改善が完了するまでの間、即時の生産停止を命じられる事例が増えています。
- サプライチェーンからの除外:
ESG対応が遅れることで、グローバルパートナーや現地の主要取引先からの信用を失い、受注機会の喪失を招く恐れがあります。
おわりに
中国のEHS規制は、今後も「国家法律」による統制と「グリーン転換」の両軸で強化される見通しです。弊社ではTJE社と密に連携し、複雑化する規制情報の解説や、現地工場の合規性監査などの支援を通じて、皆様の円滑な事業運営をサポートいたします 。
- 【法適合性アセスメント】:
新「危険化学品安全法」に基づき、貴社工場の現状を専門家が診断します。
- 【地方規制モニタリング】:
貴社の拠点がある地域の独自ルールを特定し、毎月の更新情報を提供します 。
- 【現場改善サポート】:
監査で見つかった不適合項目の是正や、管理規定の作成代行を行います 。
本記事の内容について詳しくお知りになりたい場合や、現地工場のコンプライアンス診断をご希望の場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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プロファーム ジャパン株式会社
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本記事は、中国現地のEHS専門コンサルティング企業「TJE(同潔)」が提供する規制追跡データベースに基づき、プロファームジャパンが作成しました 。